ACT 8 
 




メイの残りの時間を貰って再び動ける様になったサラは、ついにティナのいるアンティークショップの入り口までたどり着いた。

店のガラス越しに見えるお人形。確かにティナだった。何十年ぶりに見るティナの姿だ。






サラは中に入りたいけど中には店の店員、そしてお客が何人かいてそう簡単には入れそうもない。

サラ「ティナ!!」

サラは外からティナに話かける。

勿論外から声は届くはずもない。

サラ「ティナーーーーー!!!ティナーーーーー!!!」






サラの純粋な心の叫びを投げかけた。


ティナ「・・・・!?」


どこかで聞いたことのある懐かしい声に店内を見渡した。

ティナはようやく店の窓から見えるお人形に気が付いた。


ティナ「え!?サラ!?」


サラ「ティナ!!!」


サラは必死で手を振る。
ティナもサラに気付く。


ティナ「サラ、本当にサラなの?・・・・」


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ティナの瞳から自然に涙がスーーッと流れていた。


サラ「うん、そうだよ、私よ・・サラよ・・・」

サラはやっと逢えた喜びと、ここに来るまでの数々の出来事が頭の中に映し出されていた・・・

サラの瞳からも涙が溢れてくる・・・・



ふと、ティナの前に夫婦のお客さんらしき人が立ち止まった。


女性「このお人形よ。あの子が誕生日に欲しいって言ってたのは。」

男性「可愛いお人形さんだね。プレゼントしたらきっと喜ぶね!」


そう言うと男性はティナの事を手にとってレジに持って行こうとする。


ティナ「!?」


サラ「そんな!?・・・嫌っ!!ティナを・・・ティナを連れて行かないで!!!」


サラは必死で叫んだ。せっかく逢えたのにまた離れ離れになるなんて思いもしなかった。

しかしサラの声は届かない。サラは自分の無力さに失望していた。


ティナ「サラ・・・・そんな顔をしないで・・・私はサラに逢えただけでとっても幸せよ・・・・
だから悲しまないで・・・・」

ティナだって悲しいはずなのに、涙を堪えてそう言った。
自分まで悲しんだらサラがもっと悲しむと思ったし
本当に一瞬逢えただけでも嬉しいという気持ちもあった。


サラ「ティナ・・・・」


サラだって同じ気持ちだった。悲しい気持ちと逢えた喜び。
複雑な思いが交錯していた。


ティナ「一目見れて嬉しかったよ・・・サラ・・・逢いに来てくれて本当にありがとう・・・また離れ離れになったってあたし達は親友じゃない・・・忘れないわ絶対・・・・」





サラ「うん・・ティナ・・・私も・・・一目見れて嬉しかったよ・・・・・・・・幸せになってね・・・・・」



サラも涙を堪えて笑顔でそう言った。そう、ティナの元気な姿が見れただけで幸せだったから。






















そしてティナは夫婦のもとに買われて行ってしまった。























サラは緊張の糸が切れるようにその場へ座りこんだ。


その時、後ろから一人の少女がサラに近づいていた。




少女「あー!お人形さんが動いてるー!?」



サラは女の子が近づいていたことに気付いてはいなかった。
この場所が商店街で人だって良く通る所なのに、ティナに逢えたことで周りが見えてなかったのだ。

そしてサラは動けなくなってしまっていた。

もう体力的にも精神的にも疲れて気を失いそうになっていた。



少女「可愛いお人形さんだ!あれ??さっきまで動いて見えたのになぁ?」


サラを手に取って少女はそう言った。



???「そのお人形、私のなの、拾ってくれてありがとう・・・・・」


また違う誰かが寄って来て少女にそう話かけてきた。


少女「このお人形さんは、お姉さんの落とし物?はい、これ!」


少女は素直にその人にサラを渡した。


???「二人とも無事でよかった・・・・」



サラ「え・・・・・その声って・・・・・ご主人様・・・・・・」






サラは薄れ行く記憶の中で優しいご主人様の声を聞いた。






その優しい手の中には・・・・






メイも一緒に抱き抱えられていた・・・・・



























そしてまた長い歳月が過ぎた・・・・



















エピローグ


とある家で、お婆ちゃんとその孫の女の子が楽しそうにお話をしている。

おばあちゃん「内緒の話だけど、お人形さんはね、喋れるんだよ。」

女の子「えー本当?!」

おばあちゃん「本当だよ。動くこともできるんだよ。」

女の子「すごぉーーい!じゃあーいつもここに飾ってある二人のお人形さんも動けるの?」

おばあちゃん「そうだね、私達に見つからないように動いているかもね。」

女の子「あれ!?窓の方に何かいたよ!?」

女の子は何かを見つけたらしく外へ飛び出して行った。

女の子「おばあちゃーん!!外に可愛いお人形さんが来ていたよーー!!」

そう言うと女の子はお人形を持ってきた。


女の子「おばあちゃん、お人形さんって本当に歩けるんだね!!」


おばあちゃん「このお人形さんは・・・・・・・」

少女「あれ、おばあちゃん・・・どうしたの・・・泣いてるの・・・?」


おばあちゃんの瞳から涙が零れていた・・・・・

おばあちゃん「ここまで逢いに来てくれたんだね・・・・・」

おばあちゃんはそう言うと、飾ってある二人のお人形の横に、そっと人形を並べた。












☆Baluable Bless☆ Fin







   




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