ACT 2



「ピッピッ・・ピッピッ・・・」

いつもの様に目覚ましが鳴る。

「ピッピッピッピッ・・ピッピッピッピッ・・」

いつもの様にご主人様は起きない。

ご主人様は朝がとても弱い。こんなご主人様を見るのも今日で最後になる。

とても可愛がってもらっていたから悲しい気持ちが込み上げて来る・・・

もちろん他の仲間ともお別れ・・・特にメイと別れるのは辛い・・・

でも、サラは今日旅立つ決意をしていた。
案の定二度寝してしまっているご主人様の顔を軽く撫でてさよならを告げる。

「今まで可愛がってくれて本当にありがとう・・」そうサラは呟いた、
サラの瞳から涙が溢れていた・・・

人形達も人間達と同じく涙が出る様だ。

「これが涙・・・すごく悲しい・・・」

涙を拭いて他の皆にも別れを告げる。




「皆元気でね、私行ってくるよ。」



悲しい気持ちを抑えサラは近くの窓から出ようとする・・・・


あれ?そういえばメイに別れを告げていない。

姿も見てない?

どういうこと?・・





ガシッ!

急に誰かが後ろから抱き着いてきた!

サラ「えっ!?メイ!?」

メイ「当たりぃぃ!!メイをおいて出て行くなんて許さないんだから!」

昨日の話合いが嘘の様にいつもの明るいメイだった。

サラ「メイ!?あなたどうして動いているの!?」

メイ「サラが行くんだったらメイは何処までも着いて行くの!」

サラ「一度動いたらもう止めることは出来ないのよ。よく考えて行動しなよ!」

メイ「サラに言われたくなーい。」

サラ「・・・・・」

言い返せない。

メイ「もう動いてしまったんだから仕方がないじゃん!サラが駄目って言っても着いて行くからね。」

サラ「・・・もう・・・・分かったわ、一緒に行きましょう。」

もう何を言ってもメイは聞かなそうだからサラは諦めた。
でも、正直な所サラはすごく嬉しかった。サラにとってメイはティナと同じくらいの親友だからだ。



そうして親友ティナに逢いに行く二人の旅が始まったのだ。







初めて外の世界に自分の足で出た二人。
外の事はテレビなどで見ているから大体知っている。
しかし見るのと体感するのでは訳が違う。


メイ「うわっ、隣の家の飼い犬(ビーグル)がこっち見てるよー。」

サラ「首輪で繋がれてるから大丈夫よ。そーーっと行きましょう。」 

「ワンワンワンワンッ!!!」

サラ メイ「キャーーーッ!!!」

首輪で繋がれてるとはいえ近くで吠えられビックリして逃げる二人。 

メイ「はぁはぁ、怖かったぁ。」 

サラ「はぁはぁ、急に吠えるなんて思わなかったわ。」 

メイ「あ!!サラ、後ろ・・後ろに・・・」

サラ「えっ・・・」

恐る恐る振り向いて見る・・・


「にゃーーごぉ・・」


サラ メイ「!?」 「今度は猫ーーーーっ」







二人は何とか逃げきれた。

メイ「はぁはぁ、外の世界ってこんなに怖い所なんて思わなかったよー。」

サラ「はぁはぁ、確かに危険がいっぱいだね。」

しかし危険なのは犬や猫だけではないのだ。


そう・・・もっとも・・危険なのは・・



【人間】



サラ「メイ!そっちは行っちゃ駄目よ!」

メイ「えっ!?」

慌ててサラの所に戻るメイ。


踏み切りで人間達が沢山立ち止まっていたのだ。






メイ「あ、危なかった・・」


【お人形達は動いているところを人間に見られた瞬間に二度と動けなくなってしまう】



サラ「人に見つからないように移動しないとね。」

メイ「うわーーん・・・思った以上に疲れるよーっ、隣町まで無事に辿り着けるかなぁー。」



二人の旅はまだまだ始まったばかりだ・・・






残り5日・・・






  


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